ボーカル豆です。
自慢じゃございませんが、私はトリピ1方向音痴だと思います。
だからこそ、私が言うと説得力があるに違いない!
という日記をかかせていただきます。
方向感覚の備わっている人は、
目的地までの道のりを地図で思い描き、
東西南北のどこを向かうべきか、
全体図を把握しながら運転するそうです。
私はそれがとても下手です。
一応地図は頭にいれているつもりなんです。
でも、結局は
◯◯の交差点を右に曲がって、
その後3つ目の信号を左折して、
コンビニの角を斜めに入って。。。
といったような文章で書いた情報に頼りながら運転している気がします。
だから、あるはずのコンビニが消えて月極駐車場になっていたり、
信号が3つと思っていたけれど、そのうち1つは点滅信号で
「これは1つとして数えていいのか?」と悩んでいるうちに
後続車にクラクションを鳴らされてしまったり。。。
つまり1つ間違えたり迷ったりすると
もうどーしよーもない所にはまり込んだりしがちなのでございます。
これと同じ事が音楽にも言えるのではなかろうか。。。
音楽を好きでずっと演奏してきている人にとっては、
メロディや基本的な音楽構成から考えると
だいたいこういう流れになるだろう
といった予測はそれほど難しくない事だと思っていました。
しかしそうではないようです。
この男である。
彼の名は
ぞにーにょ。
まさに私が車を運転するときの様な危なっかしさで
音楽に接してきた男である。
彼はいつもコードをひたすらたどっていく方法で音楽を奏でるそうだ。
緻密
(と本人は信じている)に書かれたコードに従って
全体の流れとか、不自然かどうかとかまったく考える事なく
ひたすらひくのである。
だから、時々彼は突拍子もないところで突拍子もないコードに移動したりする。
にらみつけるように見ていた楽譜を1小節分間違えて読んでいたのだ。
または緻密
(と本人は信じている)な楽譜に書かれた通りに弾けなかったのだ。
つまりは、まるで私が「コンビニの角を曲がったらクリーニング屋が。。。ないやん!」
と焦るときのように、それはその後の判断力をことごとく奪うのだ。
なんかおかしいな、とは思っていたのです。
でも今日ようやく、彼が「地図の代わりに文章を読みながら運転する」ように
演奏する人なのだということがはっきり分かりました。
なぜって、
こんな楽器をまさごっちが持ってきてくれたのです。
トーンチャイム。
ハンドベルのように1本ずつならす事で
柔らかいベルのようなロングトーンが奏でられる楽器です。
とても素敵なこの楽器。なんとか使おうではないかと相談した結果、
トーンチャイムで、10月27日にライブを行う幼稚園の
園歌を演奏することにしたのです。
みんな2本のチャイムを担当して、自分の音の出番が来たら
すかさずチャイムを振ります。
これがなかなか難しい。
でもだんだん皆の息が合ってきた頃、
ぞにーにょが言いました。
「あ、そうか!『ぱ』のところか!」
「ぱ」?????
ドレミファソ、ではなくて「ぱ」。。。
つまり彼は、自分の担当している音と、楽譜上の音を一致させるのではなく
自分の担当している音が、何と言う歌詞のところで鳴らされるべきなのかを
たどっていたのです。
だから、例えば「ド」と「レ」のチャイムを持っていたら
楽譜上の「ド」と「レ」を追いかけていればいいのに、
ぞにーにょは「ぱ」と「い」と「う」と「る」と「っ(ちっちゃい「つ」!)と。。。
みたいな覚え方をしています。
そのあまりのアプローチに
「辱めを受けるのだ!!」。
帰りの車の中、
「音で覚えていなければ右手と左手のどちらの手を振ればいいかも
瞬時に判断できないやーーーん!」と突っ込むと、
「それは体で覚えるんです」。
平然とのたまったぞにーにょ。
つぶしの効かないこと、甚だしい。。。
それはまるで、無敵の方向音痴の私が
トラック運転手に挑むようなものではないのか??